「甲鉄城のカバネリ」のコンセプトアートを担当するのは、荒木哲郎監督作品ではお馴染みの森山洋氏。監督との打ち合わせを経て作成されるイメージボードを出発点にして本編作業は開始されます。ここではそのごく一部をご紹介させて頂きます。
日ノ本(ひのもと)はユーラシア大陸の東に位置する島国である。戦国時代に終止符を打つ東西大名における一大決戦の結果、勝利した西国大名が幕府を開府し、その際に国号を日ノ本(ひのもと)と改めた。その後、幕府は三百年に渡る天下泰平の世を作り上げ、諸外国との積極的な交流を持って海外の技術を数多く導入した。西欧でのカバネ発生を知った当代将軍は万が一に備えて各地の重要拠点を要塞化。日ノ本に張り巡らされた鉄道網の要所に作られたそれらの砦は「駅(えき)」と呼ばれるようになった。カバネが九州に上陸した後、それぞれの「駅(えき)」はお互いの生産物を融通しあうことでなんとか生活を保っている。カバネの脅威に溢れる日ノ本(ひのもと)において、唯一鉄道網だけが安定した流通路であり、鉄道を支配する幕府の命には誰も逆らうことが出来ないのだ。
主人公、生駒たちが暮らす顕金駅(あらがねえき)は製鉄や蒸気機関等の重工業をなりわいとする駅である。日本各地を巡航する「駿城(はやじろ)」の多くはこの顕金駅(あらがねえき)で生産、整備される。それ故に駿城(はやじろ)の出入りも多く、カバネ流入の危険性も大きいため、駅(えき)を治める四方川家と武士たちの責任は重い。